2010年02月05日

ゆれる

ゆれる

ゆれる

  • 作者: 西川 美和
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本

カンヌ映画祭で激賞の嵐!!
ある吊り橋で起こった事件をきっかけに生じた、
兄弟の葛藤を描いた話題作を、監督自らが渾身の小説化!




映画『ゆれる』
原案・脚本・監督/西川美和
出演/オダギリジョー、香川照之 他

兄弟をめぐるもうひとつの物語
東京でカメラマンとして活躍する弟。
実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。
対照的な兄弟、だが二人は互いを尊敬していた、
あの事件が起こるまでは…


※映画『ゆれる』のレビューはコチラ。

まず、映画で明かされなかった真実…
- 本当に兄は殺したのか?
- ラスト、兄と弟は和解できたのか?

は、残念ながら明らかにならず。
もやもや…

***目次***
第一章 早川猛のかたり
第二章 川端智恵子のかたり
第三章 早川勇のかたり
第四章 早川修のかたり
第五章 早川猛のかたり
第六章 早川稔のかたり
第七章 早川猛のかたり
第八章 岡島洋平のかたり


目次を見れば一目瞭然。
章ごとに語り部が変わる。
芥川龍之介の『藪の中』有吉佐和子の『悪女について』見られる手法。

猛(弟)、修(弁護士・父の兄)、洋平(家業のガソリンスタンドの従業員)…
彼らは彼ら視点で物語の主軸を語る。

勇(父)は刑事さんに語って、
稔(兄)は刑務所内で受刑者仲間に語って、
智恵子(被害者)は…誰に語ってるんだ?
死の直前のことまでペラペラと…
勇、稔、智恵子に関しては、ちょっと設定に違和感あり。
三人ともしゃべり過ぎ。

そう感じるのは映画を先に観ているせいかも知れないけど、
この小説は映画の先に読む種類のものではないと思う。
やっぱり、映画ありき…なんじゃないかと。
映画との相乗効果でずっと涙腺崩壊したし…

映画では描ききれなかった各人の想いは、小説により明らかに。
主人公の稔・猛兄弟だけでなく、
父である勇とその兄である修、
修とその妻、
智恵子とその母、
洋平とその家族、などなど、さまざまな人間関係も分かる。

稔お気に入りの猛の写真集、「ノド」ってタイトルなんだね…
人類最初の殺人者カイン。
弟アベルを殺した罪で追放され、彷徨ったエデンの東、ノド。
なるほど、なるほど。

文章や比喩などの表現に多少稚拙さを感じるものの、
作者の力量を感じずにはいられない作品。
空気感っていうのかなぁ…雰囲気が好き。
でも、意味深過ぎ、守り過ぎ、ボカシ過ぎ。

評価:★★★★☆

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by TREview

ラベル:ゆれる 西川美和
posted by 1ca8ca at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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