2010年03月09日

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/11/29
  • メディア: ハードカバー

俺はどうなってしまった?
一体何が起こっている?
首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか?




仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、
青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。
昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。
訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」
「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、
鬼気迫る調子で訴えた。
と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。


***目次***
第一部 事件のはじまり
第二部 事件の視聴者
第三部 事件から二十年後
第四部 事件
第五部 事件から三ヶ月後


堺雅人さん主演で映画化、ってことで読んでみた。
映画観てないけど。
(映画公式:http://www.golden-slumber.jp/

時間がなくて、斜め読みだったんだけど…
巧みに伏線が巡らされていて…
うゎ〜読み返したいっ!!!ってフラストレーション。

この著者の作品は今回初めて。
少し村上春樹さんに似てる気がした。
文章は今風だなぁ…美しくはないけど、読み易い。

えっと…まずタイトル。
「Golden Slumber」
直訳すると、黄金のまどろみ
ビートルズのアルバム『ABBEY ROAD』に収録されている楽曲のタイトル。
『マザー・グース』に載っているトマス・デッカーの子守歌
『Golden Slumbers Kiss Your Eyes』を元に
ポール・マッカートニーが作ったと言われている。

物語の背景。
著者の「謝辞」に書かれた内容によると、
ジョン・F・ケネディの暗殺事件を重ね合わせています。」
「首相公選制が存在する、現実の日本とは異なる日本を描いています。」
だそう。
現実っぽいけど、違うんです。
首相の地位も、大統領並みって感じだし。
物語の舞台、仙台市は情報監視区域のモデル都市で、
セキュリティポッドなる機械で常に監視されてるし。
ザッツ監視社会…これも現実とは異なる…と信じたい。

全五部構成だけど、「第四部 事件」がメインで、
ページ数も飛びぬけて多い。
ちなみに、
第一部は、樋口目線。友達とランチしてたら近くで首相暗殺。
第二部は、入院患者の田中君目線。テレビで暇つぶしに事件を視聴。
第三部は、ノンフィクションライター目線。20年前の事件を振り返る。
第四部は、青柳・樋口目線。事件中の動向と学生時代の思い出。
(小さいイラストで過去か現在か分かるようになってる親切設計)
第五部は、色んな人目線。共通する不審者の正体は…?
って感じ、かな。

第三部までは、事件の渦中から外れていて、
なかなか読み進めなかったけど、
第四部からは逃亡劇にハラハラドキドキでスイスイ読める。
第四部を読むと、
第三部までに重要なキーワードがさりげなく散りばめられていたことに気付く。
巧みだなぁ、伏線。

かなり悲惨な話なのに、
登場人物たちのあっさりした性格ゆえか悲愴感は緩和されている。
警察関係者もほぼ全員無機質だし。
ある意味、リアリティないな。
信頼だけを武器な逃亡劇自体、リアリティないけど…
でも、夢があっていい。
読了後、ほっこりした。
うん、この作品はサスペンスじゃなく、ファンタジーなんだ。
ならば、この結末で全然アリ。


あと気になったこと羅列↓
ネタバレ含むかも。



教科書倉庫ビルとかパレード中の暗殺とか、
ケネディ暗殺に酷似しているのに、メディアが言及しないのに違和感。
金田→カネダ→カネダー…名前もケネディに近いのにー!?

キルオの存在がかなりいい味だしてるなぁ。

時々、会話の文字数が揃っているのは作風だろうか…
佐々木との車内での会話とか…スペースで調整している、よね?

「おやすみ。泣かないで」
「だと思った。」

一番最後の「たいへんよくできました」
で泣いた。
「たいへんよくできました」は薄々感づいていたのに、泣いた。
シンプルにサラっと泣かせやがるっ!

第三部の佐々木一太郎に関する記述で、
「青柳を追っている間に、彼の一人息子が東京で交通事故に遭遇していた」
ってのが意味ありげで…
一太郎視点のサイドストーリー読みたくなるなぁ〜
一太郎はもっと執拗に追ってくると思ってたのに、
あんまり本編に絡んでこなかったので、少し残念。

あぁ…
「平気な顔して嘘をつく、立派な大人になっちゃって」
って言葉が頭にこびりついてる…
普通の言葉なのに…中毒性のあるフレーズ多いな…

映画も観てみたくなった!
映画公式サイトのシークレットギャラリーってゲーム、
何気に面白い。

評価:★★★★☆

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by TREview

posted by 1ca8ca at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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